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【コスパで考える学歴攻略法】藤沢数希:日本の大学→海外大学院が最もコスパが良い!?

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前回、こちらの記事を記載したが、関連して学歴関連の本を読んだのでまとめ。前回の塾歴社会と対比して読んでみると面白い。

タイトルがなかなかのキャッチーさだが、内容は膨大なリサーチと実体験をもとに、子供が現代の学歴獲得競争で勝ち抜くための戦略を、非常に具体的に論じている。

コスパ学歴:日本の大学→海外大学院

たかが学歴、されど学歴

統計的には、当たり前だが、大卒の平均年収は高卒の平均年収より高い。大学院卒の年収は大学卒の年収より高い。その格差はアメリカでは顕著だが、日本でもアメリカほどではないが傾向は同じだ。あくまで平均値で見れば、学歴が高いに越したことはない。

コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)

日本は高校までの教育レベルは高く、難関大学の合格者数を競い合うという仕組みも相まって、PDCAサイクルがある意味では非常によく回っている。

問題は大学で、日本では東大をトップとして序列が固まり、大学間競争がないことが原因で世界のトップ大学と比べて停滞してしまっている。

とはいえ、日本の大学は、アメリカの大学と異なり膨大な課題図書やレポートなどに振り回されないので、学問が好きな学生は、自分次第で深く勉学に励むことができるという非常にラッキーな環境である。

将来は研究者になったり多国籍企業でグローバルに活躍したいなら、こうした専門分野の基礎を学費の安い日本でしっかりと学び、欧米やアジアなどの海外の大学院に奨学金をもらって留学するというのが、圧倒的なコストパフォーマンスである。

コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)

大学合格実績:東大・京大・国公立医学部

筑駒、灘、開成、桜蔭が日本の進学校のトップ4校で、近年、神奈川県の聖光学院が食い込んできている。

東大の現役合格率で著者が独自にランキング出しているところが興味深い。よくランキング表示される現浪合わせた合格者数では、母数が多い方が有利なので合格率で表示し、かつ、浪人の場合は高校というより予備校の力も大きいので、現役の合格率を算出している。

こうして見ると、日比谷・小石川・西など公立が躍進している。

コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)
コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)
コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)

ちなみに、私の母校のラ・サールは、私が卒業した時(15年くらい前)は東大合格者数が現浪合わせて50数名弱だったと思うが、そこから少し減っている。当時ですら、以前と比べると合格者数減っているから頑張れという感じだった。医学部志向は国公立医学部合格者数のとおりで多い。

首都圏は鉄緑会という絶対的な予備校があるが、鹿児島は駿台・河合・代々木など大手予備校もないので、学校が予備校も兼ねるという感じで、高校一年生からは定期テストとは別に各科目の参考書が渡され、毎週テスト(俗称:週テ)するという感じだった。

当時は、なんでこんなにテスト多いんだろう?としか思っていなく、首都圏の予備校の存在も知らなかったのだが、大学入ってから同級生の話を聞くと、首都圏の進学校の人達は、学校と予備校のダブスクで量だけではなく、大学受験に特化した質の部分も予備校教師から授業受けていることを知った。なので、ラサールのカリキュラムで、あれくらいやっても足りないくらいだったかもしれないと合点がいった。

中学受験:独学で難関中学合格は起こらない

  • 大学受験なら参考書で独学で公立高校から東大に合格ということもあるが、中学受験では子供が独学で難関中学に合格することは起こらない。なぜなら受験するのは小学生だから→塾なしで合格する稀な子供もいるがそれは、単に親か家庭教師が塾と同じカリキュラムをやらせたから

親塾する場合の親の勉強量と覚悟については、下記本が臨場感あって面白い。

  • 塾費用は3年トータルで300万円くらい(4年生:50万円/年・5年生:80万円/年・6年生:120万円/年)
  • とにかく、家に近いところに通えばいい。どこの塾が合っているかはわからないが、入った後に塾に無理やり合わせていけばいい。長い通塾時間だけは確実に負担になる。
  • 中学受験をすると、塾費用と私立中高一貫校の学費などで、公立中学→公立高校のコースよりも合計で約1000万くらいは余分に教育費がかかる。その教育費に対して、平均して高校3年時点で偏差値が3程度上がる。

塾選びに関しては、NewsPicksの下記動画で西村先生が下記のように日能研・早稲田アカデミー・SAPIXを分類していた。

https://newspicks.com/news/9391835/body/

中学受験「3大塾 徹底比較〜最適な塾選び〜」

自分は小学校4年生くらいから日能研に通っていて、確か、毎週のテストが10,000人くらい全国で受験していて、全国ランキングが発表されていて、当時は四谷大塚と並んで大手予備校感があった。

ちなみに、首都圏の中学受験者数は少子化にも関わらず近年増え続けている。恐ろしい。

首都圏の5,6人に1人が中学受験している。千代田区・港区の一角などは7割が中学受験しますという小学校もある。そういう学校では、「公立に行く」というマイノリティの意思決定が必要になる。

子供に対して早期に教育をさせてあげないといけないのではないかという風潮があり、かつ、情報過多(ネット情報やママ友の情報)の時代なので、良さそうなものを掴み取る結果なのだろう。

出典:https://diamond.jp/articles/-/320467

科目別特徴:算数という奇形的に発達した分野

国語

  • 上位校の場合、共通テストの現代文くらいのレベル

ちなみに、「AI vs. 教科書の読めない子どもたち」では、御三家と呼ばれる私立中高一貫校では、中学受験のスクリーニングの12歳の段階で、公立進学校の高校三年生程度の読解能力値がある生徒を篩にかけていたとの調査結果を報告している。

つまり、中高一貫校での教育云々ではなく、もともと読解力が高い子だけを集めているので、高校2年生まで部活に明け暮れていて、赤点だったとしても、教科書や問題集を「読めばわかる」ので1年間受験勉強を頑張れば、旧帝大クラスに入学できてしまう。

社会

  • 地理と日本史(+公民)
  • 4科目のうち、一番安定して点が取りやすい。国語は課題分との相性、算数・理科は大問の最初で間違うとごそっと失点するなど点数がブレやすい。なので、社会を最後の追い込みではなく得点源にしておくと、塾のクラス分けで思わぬ降格など起こりにくくなるので、最初から基本事項を覚えてしまって得点源にしておく方が良い

理科

  • 文科省の学習指導要領が小学校に関しては狭いので、使える道具が少ない。わりに、難しい問題を作ろうとするので、パズル的な要素が出てきてしまう。
  • 中学入試の理科ができても、大学入試の物理や化学の足しにはあまりならない

算数

  • 中学受験では、全勉強時間の半分以上を算数1科目に投入する必要がある。
  • 中学以降で学習する体系的な数学とはまた別の、中学受験算数という高度な知的パズルの独特な一大分野
  • 算数は塾に任せるか、親も算数の考え方を謙虚に学ぶの二択しかない。中学以降で学ぶ方程式などを使って子供に教えてはいけない。

算数の世界を舐めている大人は、謙虚にこうした算数のツールを学ぶことなく、子供に方程式を教えようとする。こうした過ちが、毎年繰り返され、子供たちは大混乱に陥るのである。

コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)

高校受験

  • 日本で私立中学に通っているのは全体では約8%であり 92%は公立中学に通っている
  • 東京は優秀層が中学受験で抜けるので高校受験の方が楽
  • しかし、大学受験では私立中高一貫校の生徒たちと戦うことになるので、高校の3年間分の内容を2年間で詰め込みで終わらせないといけず、入ってからが大変(進学校は大体1年先取りで学習しているため)

英語:小学高学年から中学生で語学留学

  • 小学生高学年から中学生ぐらいの時に、英語が母国語の国の学校に留学させて帰国子女にすればいい。幼少期に親の赴任でアメリカなどに住んでいてネイティブと同じように英語をしゃべっていた子供でも、小学校の低学年ぐらいで日本に帰ってきて、何か特別な英語力を維持するための環境を用意しないと、ものの見事に忘れてしまう。
  • まずは、小学生の段階で日本にいるうちに英単語1000個を正しい発音で学ぶ(語学留学の機会を活かせるかどうかは、事前に日本でどれだけ勉強しているかによる)。大体1,2年はかかる
  • その後、外国人の先生との英会話レッスン
  • 学校の休みを利用してフィリピンなどに語学留学(1ヶ月30万円程度。留学中は1日10時間は分通しで英語を勉強)
  • 発音→英会話レッスンを学んで、英会話とは何かを学んだ後に受験英語を猛勉強すれば、生きた英語になる。

自分は、完全に大学受験まで受験英語しかしてこなかったので、大学入って、留学生と話す機会があった時に、「受験英語頑張ったから英会話もできるだろう」とタカを括ってたら、全く英語が出てこない自分に「こんな簡単な英語も出てこないのか」とショックを受けた。

色々試行錯誤した結果、大学一年の夏休みに、こちらの瞬間英作文を使って、中学レベルの英語(I have a pen)を日本語訳を見て瞬時に英語を話せるように訓練するというのを1日1-2時間30日間やって、ようやく少しずつ話せるようになった。

受験英語と生きた英語を身につけるのは、全く別物と痛感させられた。

プログラミング技能は、外国語の習得と違い、幼少期にやるメリットは何もないと断言できる。 プログラミングは論理的思考力が大切で、子供よりある程度いろいろなことを勉強した高校生や大学生のほうが良いのだ。 コンピュータ言語のほうは、どこまで行ってもロジックだけであり、自然言語の習得のように幼少期のほうがいい、などということはまったくない。

コスパで考える学歴攻略法(藤沢数希)

確かに、一理ありそうだ。

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