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プロダクトアウトの弊害
チャットボットの未来という本を読み、、、
さて、片岡もフルコミットしていただくことになり、これで開発スピードも上がることになったわけですが、肝心のサービスはというと、最初はLINEのチャットボットベースの医療機関の予約・オンライン問診サービスを作っていました。
これには、色々と理由があるのですが、3人でどのようなUI/UXのサービスを作ろうかと案出しした際に、水上が
「俺、今、『チャットボットの未来』という本読んでるんだけど、これ衝撃的だったわ。LINEのチャットボットを使ったサービス、今後絶対来ると思うから、メルプもLINEのチャットボットベースで開発しよう!」
と興奮して話したことがきっかけで、自分も本を読むことに。
確かに、技術的にも新しくて面白そう!よし、ここは水上の案に乗っかってLINEベースで病院の予約問診サービスを立ち上げるか。と早合点して開発を進めてしまいました。
以前のお薬管理IoTサービスの時もそうですが、片岡含めチーム全体として開発力があるのは良いのですが、諸刃の剣で、技術ありきのプロダクトアウトで、ニーズ検証を十分にしないまま見切り発車で開発を進めてしまい、作り切った後にユーザーに当ててみて結局売れなかったとなることが、私の場合は多いです。
すでに、こうした見切り発車のプロダクトアウトの弊害を、お薬サービスで身をもって学び
「今度は絶対プロダクトアウトにならないようにしよう!仮にプロダクトアウトだとしても、しっかり事前にニーズ検証しよう!もう二度とあんな思いはしたくない。お金と時間をみすみすドブに捨てるのは懲り懲りだ」
と、その時、誓ったはずなのに、また技術の面白さに飛びついて、開発を始めてしまいました。学習力のなさよ。。
創業当時に開発していたLINEベースの予約問診サービス
当時作成していたパワポが、まだ残っていましたので添付します。
今振り返って思うと、
病院の予約なんて、ホットペッパービューティーのように空きコマ予約で良いじゃん!
なんでわざわざ、打ち合わせ日程調整をメールでする時みたいに、候補時間を提示してチャットでやり取りするの?面倒なだけじゃん。
と思いますし、私だけではなく、誰もが同じように思うと思うのですが、当時は
チャットボットで何か面白いことをやるんだ!!
チャットボット最高。これからはチャットボットの時代が来る
くらいに思い込んでいましたので、バイアスかかりまくりで、本気で上記のチャットボットでの予約サービスを作ろうとしていました。
バイアスって本当に怖い。
まぁ、ここは難しいところで、バイアスかかりまくりだと、他の情報が入ってきても全無視できるので、それで突き抜けることで、ひょっとしたら素晴らしいサービスになるかもしれないのですが、チャットボット予約に関しては普通に悪手だったかなと今では思います。
ちなみに、確か2,3ヶ月くらいで作り切った後に、「やっぱこれで予約取るの面倒じゃない!?」という当たり前のことに気づき、空きコマ予約スタイルの開発に切り替えています(苦笑。
そしてWEB問診に関してはどうかというと、このようにLINE予約が終わるとWEB問診のリンクが表示されて、問診はLINEではなくWEBに遷移して回答するというスタイルを構想していたみたいです。
おそらく、LINE APIで使えるサービスの制約で、作りたいカスタマイズ性の高い問診はできないからという判断で、LINEからWEBに飛ばすとしていたと思います。
なぜLINE?なぜチャットボット?
当時の資料を見ると、なぜLINEを使うのか?なぜチャットボットなのか?に関しても一応は記載していますね。
ただ、これは対外的に説明するときに納得感を持ってもらうために、後付けでリサーチした内容で、元はと言えば、チャットボットの技術すごい。これでサービス作ってみたい!が原点にあったと思います。
まぁ、「web検索からチャットボットへ」の部分なんかは、最近Chat-gptが出てきて、Microsoftも自社の検索サービスBingにチャットボットを搭載し始めたりという状況を見るに、ある程度正しかったのかなとは思いますが。
そうこうして、LINEベースの予約、問診のプロトタイプが出来た段階で、次は飛び込み営業をすることになりますが、プレゼンをした開業医に
「そんな邪道なことやってないで、まずは専門医を取ってから出直してこい」
と言われて退散するなど、色々と壁にぶつかってしまいます。
また、LINEを使ったことで医師会から
「メルプはLINEを使っているからセキュリティ的にダメだ!」
という軽いバッシングを受け、ディスブランディングにも半年以上悩まされることになりますが、その話はまた後で。
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