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【メルプ⑧】営業:医療業界特化のテレアポ業者に頼むも、、、

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この連載記事では、当時ビジネスを全く知らなかった私(かず)が、初めて医療業界のSaaS「メルプWEB問診」を立ち上げて、約3年後に約200医療機関にサービスを導入した0→1終了のタイミングで2020年に株式会社JMDCに売却するまでの話です。当時、何を考えていたのか、失敗したこと、うまくいったことを振り返っていきます。圧倒的にリアルで生々しい、メルプのリアルを、共に見ていきましょう。

前話までのあらすじ
かずは、医学部6年生の時に医療系のアプリ開発コンテストに参加し、そこで、後のメルプ共同創業者兼CTOとなる片岡と出会う。医学部の時の同級生で眼科医の水上が加わり、3人の創業メンバーになり、サービスアイデアを出し合った結果、WEB問診サービスに決まる。VCからの投資は断り、片岡にフルコミットしてもらい、LINEのチャットボットベースでの予約・問診システムを開発し、これから営業しようとなり、、

第7話はこちら>

読み物としての回想録部分は無料公開にしていますので、物語として楽しみたい方は全てのストーリーを無料でお楽しみください。関連するTipsや思考法の部分は有料にしていますので、ご興味のある方はご購入ください。

テレアポ開始

まずはテレアポと思い、業者を探す

さて、LINEのチャットボットベースでの予約・問診サービスでプロトタイプを作ったわけですが、売れるかどうか確かめてみようと思い、最初に思い浮かんだのがテレアポでした。

ただ、今までにテレアポをやったことがなかったので、ネットでリサーチしたところ、医療特化のテレアポ代行業者が見つかりました。

サイトには

「単なる架電業務の代行にとどまらず、お客様とともに営業戦略立案・架電先リストの作成・トークスクリプト作成も行います。医療機関へのテレアポ成功率もXX%と高く、数多くの活用事例もあります」

と記載があったので、

医療業界特化で上流の営業戦略から一緒に入ってくれるのは、ありがたいな。営業専門の会社にお任せすればうまく立ち上がるかも!

と期待して、すぐに問い合わせました。

医療業界に特化したテレアポ業者

実際に打ち合わせをすると、

「まだ、商材がプロトタイプ段階で固まり切っていないので、まずはターゲットを絞って、機能もLINEのチャットボットが刺さっているのか、予約なのか、問診なのかを見極められるようにA/Bテストもしていきましょう」

とアドバイスいただき、見積もりをいただいたところ、、

営業戦略費:数十万円
テレアポ代行費:XX万円/月
その他もろもろ細かい事務手数料

という感じで、一瞬、

うわっ、高いなぁ〜。今、会社の残キャッシュが200万円くらいだから、ここで2,3ヶ月100万円くらいでお願いしたら、一気にキャッシュ吹っ飛ぶぞ。

と思ったのですが、相場も分からないし、他に選択肢もその時は思い浮かんでいなかったので(すでに1人で飛び込み営業をしていたのですが、院長先生との面談にすら辿り着けずに、これは厳しいな、手法を変えないとと思っていた段階でした)

高いけれども、ここはお願いするしかないか、これで10件でも獲得できればプラスになるし。

と思い、お願いすることにしました。

テレアポ先のターゲット選定

まずは、テレアポ先のターゲット医療機関を選定することから始めることに。

診療科の親和性の見極めが必要ということで、医科・歯科・美容で20件ぐらいずつテレアポしようとなりました。

結果は以下のように。

97施設テレアポ

担当者・院長に繋がった:9件

資料送付:5件

商談アポ:0件

その時の議事録もあったので共有します(原文ママ)。

美容:×(受付突破率が低い)→テレアポと相性悪い
・すでに店舗としてLINE@を使用している→メルプを新規導入するニーズがない
・予約システムも導入している

歯科:×→テレアポと相性悪いすでに店舗としてLINE@を使用している
予約システムも導入している。

医科
・小児科:ワクチンなどで患者にアプローチしたい
・慶應出身の先生:○。受付は100%突破できる。サービスを開発した人が慶應出身という文言が効いている。→慶應に絞ってターゲットを渋谷外に広げた方が導入率は上がりそう
開設年度が浅いところの方がニーズあり

【議事内容】
LINEを使って、患者さんにメッセージを送れますをフックにしている。
(+α:予約・web問診)

今後の方針
→渋谷エリアのみに絞らず、慶應・東大出身の先生+専門外来(生活習慣病・禁煙etc)を中心に1都3県で営業リストを作成し直し、アプローチ

結局、成約は0件→1回目の会社倒産危機に

その後、2,3ヶ月、ターゲット医療機関の診療科を変えたり、営業のトークスクリプトを変えたり、試行錯誤したのですが(自分も1日數十件くらい架電していました)、数件商談に辿り着けたものの、成約は0件でした。

この時点で、自己資金300万円で始めた会社のキャッシュのうち、テレアポ業者へ100万円弱支払いましたので、会社設立や片岡への毎月の給料など諸々合わせると、残金30万円を割ってしまい、売り上げは0のまま先が見えない状況でした。

このままだと、翌月の片岡の給与が払えなくなることに気づいた私は、資金繰りをどうにかしないととなり、1回目の会社倒産危機を迎えることになります。

ちなみに、メルプではその後、2,3回にわたって、自社でもテレアポを何回かフェーズを変えて(メルプのサービスある程度認知された後も含む)トライしているのですが、最終的には「費用対効果が悪すぎるのでしない」という結論に現状なっています。

・なぜ、医療機関向けのテレアポはうまくいかなかったのか?
・テレアポ業者を選定する際に見るべき項目は?
・テレアポに変わる医療機関向けの営業は?
・テレアポは委託が良いのか?内製が良いのか?

などについてTIPsに記載しましたので、ご興味のある方は合わせてご覧ください。

TIPS:医療機関向けのテレアポはなぜうまくいかなかったのか?

いくつか書きたいことはあるのですが、私なりの医療機関向けのテレアポに関して結論を箇条書きで述べます。

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