はじめに
MBTIの各性格タイプに関して、下記観点からまとめておこうと思う。
- 世間の印象
- 主機能と補助機能の特徴と、判断プロセス
- 周囲に与える印象
- 劣等機能と劣等機能の強化方法
- コミュニケーションの特徴
- ストレス時の反応と改善のためのポイント
今回は、ISFPについて。
ISFPに対する世間の印象
ISFPでググってみると、関連検索として「ISFP 冒険」「ISFP 芸術」「ISFP アーティスト」「ISFP 芸術センス ない」などが出てくる。
「冒険家」と称され、有名人・キャラは、アビリル・ラビーン、ブリトニー・スピアーズ、マイケル・ジャクソンなどが挙げられる。
Fi-Se:外向感覚を伴った内向感情タイプ
ISFPの認知機能は発達している順番に下記
- 主機能(自分で最も気づいている機能):内向的感情(Fi)
- 補助機能(十分機能していても、自分で気づきにくい機能):外向的感覚(Se)
- 第三機能:内向的直観(Ni)
- 劣等機能:外向的思考(Te)
各認知機能がどのように個人の知覚と行動に影響を及ぼすかを、一言で表すと下記
認知機能 | 内向 (i) | 外向 (e) |
直観 (N) | パターン認知 – 内面での洞察と未来予測 | 新しい可能性の探索 – アイデアと抽象概念の探求 |
思考 (T) | 論理的分析 – 内面での理論の構築と思考の整理 | 客観的判断 – 効率と公正さを求める意思決定 |
感情 (F) | 深い共感 – 個人的感情や価値観の深い理解 | 社交的調和 – 他者との感情的なつながりの形成 |
感覚 (S) | 現実の詳細 – 内面での具体的な記憶と体験の反映 | 実際の体験 – 外部世界との直接的な交流と行動 |
Fi-Se:五感を通じて得られる情報から、自分の感情や価値観に基づいて判断する。
主機能と補助機能の特徴と判断プロセス
内向的感情(Fi):自分の感情や価値観に基づいて意思決定する
ISFPの主機能である内向的感情(Fi)は、個人の価値観や感情に深く根ざしている。Fiは、個人の内的な倫理や価値観に基づいて意思決定を行う機能。ISFPは自分自身の感情や価値観を非常に重視し、物事の善悪や好悪を内的な基準で判断する。
外向的感覚 (Se):現実的な対応力
補助機能である外向的感覚(Se)は、現実の具体的な事実や状況に敏感。ISFPは五感を通じて直接的な経験を重視し、現実世界での具体的な情報や変化に素早く反応する。これにより、実践的で即応性の高い行動を取ることができる。
ISFPが新しいプロジェクトに取り組む場合、まず、そのプロジェクトが自分の価値観や感情に一致しているかを評価する。プロジェクトが自分にとって意義があるかどうか、やりたいと思うかを内的に確認する。プロジェクトが自分の価値観に一致していると判断したら、具体的な行動に移る。現実的な手順を踏んで、プロジェクトを進める。細部に気を配りながら、目の前のタスクに集中する。
ISFPは躊躇なく実践的にすぐに行動することに自信があるが、現在持ち合わせている能力を、新しい領域に移行することには自信がないことが多い。
また、共感に対しては、自分の欲求や他人の個人的な欲求・情動を認識しているが、外にはそれを示さない。特定の具体的に世話をするというタスクを行うことで共感を示す。
ISFPとINFPの違い
ISTPとINFPは、ともに内向的感情(Fi)を主機能とするため、論理的かつ分析的な性格を持っているが、補助機能の違いにより、現実的で具体的な対応を重視するISFPと、抽象的で未来志向の可能性を探求するINFPという異なる判断プロセスを持つ。
ISFPは五感を通じて得られる具体的な情報に基づいて行動するが、INFPは理論的で抽象的なアプローチを好み、アイデアや可能性を広げることを重視する。
ISFPの周囲に与える印象
- 優しく思いやりがある:ISFPは他人の感情やニーズに対して非常に敏感で、思いやりのある行動を取る。
- 美的センスが優れている:ISFPは芸術や自然の美しさに対する感受性が高く、美的センスに優れている。美しいものやクリエイティブな活動を楽しむことが多い。
- 実践的で現実的:具体的な行動を重視し、現実的な解決策を見つけるのが得意。目の前の状況に適応し、柔軟に対応する。
- 自由奔放で独創的:自分の価値観に従い、自由で独創的な生き方をすることを好む。独自のスタイルや考え方を持っている。
- 決断力に欠ける:感情に基づいて判断するため、決断に時間がかかることがある。重要な決定を先延ばしにすることがある。
- 自己中心的に見えることがある:自分の価値観を重視しすぎるあまり、他人の意見やニーズに対して無関心に見えることがある。
- 計画性に欠ける:現実の瞬間を重視するため、長期的な計画を立てるのが苦手です。行き当たりばったりの行動が多い。
周囲にISFPでパッと思いつく人がいないので、ISFPに関しては個人的な印象がない。
ただ、他人との争いごとは面倒で嫌なので、周りに合わせがちではあるが、自由奔放な芸術家気質で、マイペースという一見矛盾した状態をあわせ持っているイメージはある。
劣等機能の外向的思考(Te)を強化するには
ISFPは劣等機能である外向的思考(Te)が相対的に最も発達していない。
この機能は、客観的なデータや論理を使って物事を評価し、効率的で実用的な方法で目標を達成することに焦点を当てる。
ISFPは、感情に基づいた意思決定が優先されるため、客観的なデータや論理的な分析に基づいた意思決定が難しいと感じる場合がある。
計画と目標設定の練習
短期的な目標から始めて、具体的な行動計画を立てる練習をする。To-Doリストを活用して、 日々のタスクをリストにして、優先順位をつけて実行することで、計画的に行動する習慣をつけるる。
論理的思考の強化
感情だけでなく、データや事実に基づいて意思決定する練習をする。例えば、意思決定の際に利点と欠点をリストアップするなど。自分の考えを客観的に評価し、他の視点を考慮することで、論理的な分析力や批判的思考を養う。
効率的な作業習慣の導入
タイマーを使って一定時間ごとに休憩を取りつつ作業を進める「ポモドーロ・テクニック」などを試して、効率的に時間を使う方法を見つける。TrelloやAsanaなどのツールを使って、プロジェクトを視覚的に管理し、進捗を確認する。
異なるタイプを尊重するために学ぶ必要があること
なみに、この外向的思考(Te)が最も発達しているタイプは、ESTJとENTJ。ESTJとENTJは、客観的なデータや効率性に非常に敏感で、組織化や計画立案を重視する、というか自然にできる。
現実的な視点や効率を重視するESTJやENTJの姿勢は、バランスを取る上で役立つかもしれないし、参考になるところも多いだろう。
優しさや信念だけでは、人に行動を改めさせたり、状況を筋道立てて解決できないこともあり、時には強固な態度や質問をすることが役立つということを、ISFPは異なるタイプを尊重するために学ぶ必要がある。
コミュニケーションの特徴
優しく思いやりがある
- ISFPは他人の感情に敏感で、優しく思いやりのある態度で接する。他人の気持ちを理解し、サポートすることに喜びを感じる。
具体的な事実や感覚に基づいて話す
- 現実の具体的な事実や感覚に基づいて話をします。抽象的な議論よりも、具体的な体験や観察を重視します。セリフ例「昨日の夕焼けは本当に美しかったよ。」
静かで控えめなコミュニケーション
- 内向的な性格のため、静かで控えめなコミュニケーションを取る。大勢の前で話すよりも、一対一の対話を好む。
争いを避ける
- 対立や争いを避ける傾向があり、平和的な解決を好む。相手の意見を尊重し、穏やかに話し合う。
細部に注意を払う
- 細かい点に注意を払い、詳細に気を配ることが多い。見逃しがちな部分に気づき、指摘することがある。
ストレス時の反応と改善のためのポイント
ISFPはストレスに晒された時、主機能である内向的感情(Fi)が過度に発現したり、普段あまり使われていない劣等機能である外向的思考(Te)が浮上してくることで、一連の典型的な反応を引き起こすことがある。
否定的なフィードバックを受けた時や、人と協働できない時に嫌悪感や動揺を覚える。
ストレス時の反応
- 過剰な自己内省: 内向的感情(Fi)が過度に働くと、自分の内面に深く入り込み、過去の失敗やネガティブな感情に対する反省が過剰になる。自分を責めたり、自己評価が低下したりすることが多くなる。
- 感情の爆発:普段は穏やかで感情を抑えているため、ストレスが限界に達すると抑えきれなくなり、怒りや悲しみなどの感情が一気に噴出することがある。
- 衝動的な行動:劣等機能の外向的思考(Te)が不健全に発現すると、衝動的で極端な行動を取ることがある。過度の買い物や過食、周囲への批判的な態度など、ストレスから逃れるための一時的な快楽に走ることが多い。
- 自由への過度な執着:ISFPは元々、自由を非常に重んじる特性を持っているが、それが過度に発現すると、相手の期待や社会的な制約を簡単に蔑ろにしてしまい、「束縛されたくない」という気持ちから逃避行動を取ることもある。
改善のためのポイント
- 感情の健全な処理:感情を内に溜め込むのではなく、定期的に信頼できる人と話すことで、感情を健全に処理する習慣をつける。感情を日記に書き出すことも有効。
感情日記の具体的なつけ方はこちら
- 現実に注意を向ける:マインドフルネスや瞑想を実践し、現在の瞬間に注意を向ける。これにより、過度な内省やネガティブな感情から解放され、現実に集中することができる。
- 計画的な行動:劣等機能の外向的思考(Te)を少しずつ発展させるために、日常生活で小さな計画を立てて実行する練習をする。To-Doリストやスケジュールを活用し、タスクを組織的に管理することで、ストレスを軽減する。
- 自己肯定感を高める:自己評価が低下しないように、自分の価値観や達成したことに対する肯定的な評価を意識する。ポジティブな自己対話を行い、自分を励ます習慣を持つことが重要。