【戦略プロフェッショナル】三枝匡:シェア逆転の企業変革ドラマ。良いセグメンテーションとは!?

物語の後半は、より具体的な製品の価格戦略・セグメント設定・目標に対する営業の進捗管理についてストーリー仕立てで書かれている。良いセグメンテーションとは、従来の常識を破るもの・創造性が必要である。また、恣意的で捨てる部分を決めることでもある。

【ストーリーとしての競争戦略】楠木 建:優れた戦略の条件とは!?

競争戦略をストーリーとして展開する重要性が説かれている。戦略の要素を単独で考えるだけではなく、それらがどのように連動し、全体としてどのように動くのかを理解することが必要。サウスウェスト空港は、ハブ・アンド・スポーク方式ではなく、地方空港を直行便で結ぶ戦略を採用し、競争優位性を獲得した。

【交渉術】グロービスMBAで教えている交渉術の基本。ゼロ・サムから価値創造へ

こちらは、メルプ創業初期にグロービスの仮屋園さんにアドバイス頂こうとアポを取って、麹町にあるグロービス経営大学院を訪れた際に、フロントに飾ってあった本。 フロントで待っている間に、気になってパラパラまくったところ、文庫本サイズで持ちやすく、...

【傲慢と善良】辻村深月。自己評価の低さと自己愛の強さは同居しえる?

善良に生きた結果、減点をしない生き方になり、自分が傷つく選択はしないので、**同時に自己愛は増大してしまう**という奇妙な、ねじれ現象ともいうべき現象が発生してしまう。その増大した自己愛をもとに、本人も気づかないうちに、無意識の傲慢さによって相手を評価し、点数づけし、自分に相応しいかという色眼鏡で見てしまう。

【督促OL修行日記】榎本まみ:人間がつい無意識で動かされてしまう感情は「恐怖心」「義務感」「罪悪感」の3つ

督促という、クレジットの入金をしない人に対して催促する仕事(借金取り立て)をされている方の、ストレスフルな仕事の対処法が書かれた本。人間がつい無意識で動かされてしまう感情は「恐怖心」「義務感」「罪悪感」の3つ。この3つの感情を絶妙な加減で刺激する必要あり

「共喰い」田中慎弥:性暴力と女性側からの多層的な視点

第146回芥川賞受賞された、田中慎弥さんの小説「共喰い」の感想と考察を記載。交際中の幼なじみ・千種に対しはずみで暴力を振るってしまった遠馬は、自分にも父親と“同じ血”が流れていることを自覚させられる。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題を描いた作品。

【推し、燃ゆ】宇佐見りん:なぜ最後、綿棒のケースを床にぶちまけたのか?

芥川賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた、宇佐見りんさんの小説「推し、燃ゆ」の感想と考察を記載。推しがファンを殴打したという行動は、あかりに勇気を与え、自分も今のうまくいかない人生をぶち破ろうと試みるのだが、結局は、片付けるのが安牌な綿棒を一瞬のうちに選んでしまう。

【道化師の蝶】円城塔:着想はどこから来てどこに行くのか?

本作では、蝶と蝶を捕まえるための虫取り網が登場する。蝶は着想(アイデア)の比喩であり、虫取り網はアイデアを捕まえる行為を指している。網は文字であり、着想を捕まえるということは、言語化するということでもある。本作では、言語化を着想の対極と位置付けているように思われる。

【破局】遠野 遥:感情を自己防衛的に規範でコーティングするゾンビ化した人間

何か辛いことや悲しいことがあったとしても、社会規範という基準ですぐにコーティングして、何も解決していないのに、あたかも解決したかのように処理して次に進んでいくゾンビ思考である。自分の感情が見つめるのが怖いのかもしれない。

【テクノ・リバタリアン】橘玲:世界を変える唯一の思想。3つの政治思想と功利主義

リベラリズムとコミュニタリアリズムは、自由そのものを否定しているのではなく、自由だけではダメで、若干の修正(平等や伝統も大事)を加えているのであり、その点で、リベラリズムも小ミュニタリアリズムもリバタリアニズムを否定するのは困難と説いている。