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【下半身脱毛】地獄の長丁場

ゴリラクリニック
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「45度の角度で、このスピードで、、そうそう、この角度とスピードをキープして、、、よし、よし、よっしゃ、1回で剃れた!!」


かれこれ、風呂場で30分ほど、下半身のシェービングに格闘している真っ最中である。

本日、つい1時間ほど前に、悶絶するような上半身+ヒゲの脱毛を終えた私は、明日の下半身脱毛に備えるべく、風呂場で片足をビニール袋に突っ込んでシェービングと格闘していた。

帰りに受付で
「次回の予約ですが、明日、渋谷院で空きが出ましたので、下半身かエチケット部位から選べますがどうされますか?明日以降ですと、しばらく空いてしまいます。」

(あ、そっか。てっきり脱毛は2,3ヶ月おきだと思っていたけど、部位が違うと関係ないから明日でも可能なのか。そういえば、今4連休で明日も休みか。ということは、、、

下半身とエチケット。

今日はヒゲと脇と、我ながら良く耐えたし、明日いきなりエチケットはしなくてもいいんじゃないの?流石に、そこまで追い込まなくても良いよね?下半身の方が見た目的に変化もわかりやすいし、、、)

と、突如、謎の自己説得が頭の中で始まる。

「明日、下半身でお願いします。」
易きに流れた。

そうして、ヒゲ脱毛を終えた余韻も束の間、こうして風呂場で格闘しているわけである。
ちなみに、私の下半身の毛は相当多い。妻からは「あなたの足の毛の量は、絶対、風呂の排水溝詰まるから、ビニール袋を敷いて、足を突っ込んで剃ってね。必ずね。」と念を押される始末だ。

ただ、今まで、剃刀で髭以外の毛を剃ったことがないので、勝手がわからない。むしろ、ヒゲも電気シェーバーなので、剃刀の操作方法もだいぶご無沙汰である。

まずは、足を濡らして、石鹸で泡立てて、よし、剃るか。
…..
全然剃れないんですけどぉ。。というか、なに、この毛の多さ!!ジャングルやん。

間近で見ると改めて、足の毛の多さにビックリする。ハエも毛の中に入ったら、からめとれるのではないかと思われるほどである。

全然埒が明かない感じのチマチマしたシェービングが続き、いい加減イライラしてきた私は、一網打尽にシェービングするための適切な角度とスピードを模索する戦いへと移動していた。

そして、たまに、思い通りに、1回で膝から足首までの毛を剃れると、なんとも言えない勝利感を感じることができ、その感覚を得るためだけにひたすら毛と格闘するのであった。

どれくらい時間が経っただろう?
軽く1時間は経過して、ようやく下半身のシェービングが終わった。ビニール袋に積み上がった毛の量のすごいことすごいこと。美容室で髪を切ってもらった後に床に散在する髪の毛に似ている。それほどの量であった。

なんとかシェービングを終え、立ち上がると、
(なんだ、この足は、、、!?まるで女性の足のようではないか!?)
と、自分の足でないかのような感覚に陥った。

そして、意気揚々と妻に報告に行く。
「足の毛剃ったよ。どう?どう?ちょっと触ってみてよ。」
「おーー!スベスベ!!ツルツルだね。信じられない。」

その後、私が、寝る間際まで、ベッドでもずっとツルツルになった太腿とすねを触ったことは想像にたやすいであろう。

(毛と同じ方向で触ると、全く抵抗感なくスベスベだけど、逆方向に太腿を遡る感じで触ると、まだザラツキがあるなぁ。でも、これも明日の下半身脱毛が終わると、スベスベになるのかな)
と一人ほくそ笑んで床についた。



起床
起床後、真っ先におこなったこと。

それは、もちろん足を触ること。昨晩剃った現実を確かめるかのように足を、まざまざと触って確認した。傍から見ると、さぞかし気持ち悪い光景であっただろう。


そして、外を歩く時、足を前に踏み出すたびに、自分の太腿から先の露出された足を見てしまう。自分の足でないかのような感じ。

(足ツルツルやん。自分、こんな足してたっけ?もっと、日焼けしてると思ったけどそうでもないな。)

と歩くときも、交差点で立ち止まった時も、俯いて足を見ながら妄想をふくらましてしまう。

そして、渋谷に到着すると、人の多いこと多いこと。コロナの影響はどこ吹く風という感じで、もういつもの渋谷くらいいるのではないかと思われるほど。
ようやく肌寒い季節にはなってきたものの、日差しは依然として強く、男性も女性も膝下を露出している人も半分程度いる。


今までは歩く時、もちろん正面を見ていたのだが、自然と視線が周囲の足の方に移動してしまう。
(あの人は、毛がある。この人は、毛がない。あちらの人は、、男性だけどもともと毛が薄そう。いいなぁ。脱毛も痛くなさそう。
こちらの男性は、おお、かなり毛があるねぇ。脱毛したら痛そうだね。
やっぱり、女性は、あたり前だけど全員毛がないなぁ。すでに全身脱毛してそうな男性いないかなぁ。)

など、まるで脱毛チェッカーにでもなったかのような気分で、少し俯き加減に視線だけキョロキョロしながら歩いて、渋谷院へと向かう(挙動不審)。今まで、全然意識したことなかったのに、こうも視点が変わるのかと自分でもビックリする。

次第に、google mapで目的地が近くにつれ
(ヒゲを乗り切ったから多分今回も大丈夫なはず。でも、毛の密集度的には脇レベルだし、しかも、今回は部位がとてつもなく広いからなぁ。果たして耐えられるのだろうか?)

恐怖感は募る。

入ってみると

(え、、、広くない?ってか、こんなに客いるんだ。ビックリ)

ざっと数えて20名はいる。もちろん男性専門クリニックなので、客は皆、男性、男性、男性。しかも、客層が若い。20代がメインで30代がちらほらという感じか。40以上と思われる人も1名いる。
すごいな。全身脱毛、若手を中心に浸透してきているのかぁ。それにしても異様な光景である。

以前、妻と不妊検査で産婦人科クリニックに行った時の、シーンと張り詰めた異様な感じに若干似ている。


途中、トイレに行くと

「#男も美しくあれ」

と小さく一言貼り紙。サブリミナル的なPR。
ハッシュタグつき。



受付での問診を済ませると、程なくして、番号を呼ばれ、施術室に入る。今回は、2回目なのでカウンセリングなく、いきなり始まる。

「それでは、今回は下半身になりますので、パンツとズボンを着替えて、こちらの紙パンツに着替えてください。着替え終わったらそのまま待っていてください。」

と施術の看護師に言われる。

紙パンツ。履いてみると、予想以上のブリーフ。
太腿の内側まで脱毛するので、そうですよね。でも、女性が施術者でこのパンツ一丁の格好で待つのか。恥ずかしいわぁと、一人勝手に恥ずかしくなる。看護師は何とも思っていないのに。

紙パンツは、今年春に受けた大腸内視鏡検査でつけたことがあったが、その時はガウンを上から羽織り、検査も知り合いの男性医師だったので特になんとも思わなかったのだが、今回は待っている間恥ずかしさを覚えた。

「それでは、マーキングしていきますね。」

太腿から足首まで広い範囲でのマーキングが始まる。その後、シェービング。嵐の前の静けさだ。
ゴリラクリニックは、オペレーションが効率化されすぎていて、来院からマーキング開始まで約5分。こちらの心の準備がまだの状態で、着々と作業が進んでいく。

15分ほど丹念に事前準備が終わると、うつ伏せになり、眼を保護するためアイマスクをつけさせられる。そして

「それでは、ジェルを塗っていきますね。」

(おっとー、太腿から足首まで一気にジェル塗ったぞ。もしかして、もしかして、これは、太腿から足首まで、一気にローラーするのか?それは、果てしなく長いし、地獄のような痛みやぞ。)

「それでは、太腿からいきます。」

(あー、痛いね。痛いよ。やけどのような痛みだね。うん。でも脇よりはまだ大丈夫かな。
….
あれ?そろそろ、休憩じゃない?え?まだなの?まだなんですかーー?長いよ。お姉さん、長いですよーーー。

もしかしてドSですか?休憩はないんですかーー?

この時は知る由もなかったが、足はレーザー範囲が脇とは比較にならないくらい広いので、1,2分は実際連続して照射が続いていたと思う。体感的には5分くらいの感じだったが。

この、痛みが間髪入れず長丁場で続くというのも、違った意味で地獄である。
なんとか右太腿を終えたが、これでまだ8分の1だと思うと絶望感が半端ない。

今回の看護師は
「はい、太もも終わりましたので、そのままふくらはぎ行きますね。」
と、間髪入れずにどんどん照射が進んでいく。部位が広いからなのか、担当看護師による個別差があるのか?

その後も、やはり、悶絶するような焼けるような痛みが続く。今回は何といっても長い。ふくらはぎにせよ、太腿にせよ、1回あたりが長いのが地獄である。

ただ、昨日習得した深呼吸をできるだけ繰り返していくと、途中から過換気状態で頭がぼーっとして、手が痺れてきた。それでも痛さは変わらないのだが、自ら過換気症候群を作り出せたことに満足する。


途中、仰向けで、すね(すねは一番痛かった。やはり骨張っているところは痛い。)を照射されているときに、二の腕に看護師の手を添えられた感覚があり

(頑張っていますね。あともうちょっとですよ。)

という暗に声かけなのかと思い、なんて優しいんだと思ったら、すねが終わって一呼吸置いている時に腕を動かして確認したら、ただ、紙シーツに腕が当たっているだけだった。恥ずかしい。

ようやく半分を折り返した折、隣の部屋から、おそらく施術を終えたであろう客と看護師の、朗らかな談笑が聞こえてくる。
「足首が痛かったですよね?」
「自分との戦いですから。」
「最後に、お薬についてですが、、、、」

そう、コロナ対策のため、完全密閉空間にはしておらず、隣の施術室と壁で隔たりはあるものの、天井までは仕切られていないため、隣からの声が天井越しに丸聞こえなのである。

(コロナめ。まだ、こっちは地獄が続いてるんじゃい!)
この時ばかりはコロナを恨んだ。

そして、最後の、外側のふくらはぎ。これで、これで、本当に終わりだと思っていた矢先、いきなり、LMFAOのParty rock anthemが流れ始める。

(タイミング悪すぎるよー。もう終わっちゃうのに、、。
もっと、こうしたガンガンしたClub musicを最初から流してよ。ねぇ。)

と、単に曲のローテンションのタイミングが合わなかっただけなのに、無駄に毒づく。

なんとか、最後まで終わり、満身創痍で受付で待っている間に、また足に目をやると、ところどころ赤くなっていて、しっかりレーザー照射されたんだ感がある。

外に出て歩くと、ズボンに毛が当たって、少しチクチクしていた感じが全くないではないか!!

長丁場の地獄ではあったが、達成感は、ひとしおであった。



さて、かなり予定を詰め込んで、3日後は、いよいよエチケット部位である。果たしてどうなることやら。

VIO脱毛に続く

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