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飛び込み営業をしたところ
医療機関への飛び込み営業の難しさ
さて、医療特化のテレアポ業者に頼むも、1件も成約に至らなかったわけですが、同時に飛び込み営業も行っていました。
やっぱりダメでしたね。
テレアポと同様、基本的には医療機関側ですでに、営業お断りがマニュアル化されているので、受付の時点でお断りされてしまいました。あと、受付の方にサービスの説明含めて要件を1言2言で伝えなければならず
「WEB問診サービスを開発しているフリクシーの吉永です」
と伝えても、
「WEB問診?ってなんですか?」
となり、新しい概念のサービスを、院長先生ならまだしも、受付スタッフの方に一言で伝えて、内容を理解してもらって、院長先生に繋げてもらうのは至難の技だと痛感しました。
あと、患者さんが待合室で待っていて、診察も同時進行で行われている中で、受付で営業の話をするわけで、気が引けました。
とはいえ、クリニックの場合、だいたい営業時間終了の30分くらい前に受付終了になるので(その後も診察が長引いて待合室に待っている患者さんはいる)、そもそも患者さんが全くいない状態で受付の方に営業要件を伝えることはできず、営業終了間際を狙っても、「すでに受付は終了しました」と言われてしまうので、タイミング的にも非常に難しいということも学びました。
雨の日の営業を見て片岡がフルコミットに
色々と試行錯誤しながら、飛び込み営業もしていたわけですが、一つ嬉しい誤算?もありました。
雨の日なら、患者さんもそんなに来院しないだろうから、先生も受付の方も時間に余裕があって、メルプの話を聞いてもらえるのではないか?
と考え、当時は土日のみ副業的に手伝っていた片岡に
「今日、大雨だから、東京駅周りのクリニック30件くらい午前中に回ってくるわ」
と伝えて、土砂降りの大雨の中、飛び込み営業し始めました。
他の都心部もそうですが、東京駅周辺もクリニックの激戦区で、ワンブロック歩かないうちに、5,6軒のクリニックがひしめき合っている感じなので、営業効率的にも良いと考え、午前中で30件くらい回りました。
結果的には1,2件、話を聞いていただけたものの、(うーん。。)という反応で次の商談には結び付かなかったのですが、この時の様子が片岡の脳裏には焼き付かれたようで
「吉永は本気だ。1人で土砂降りの雨の中、飛び込み営業してまで、この事業を伸ばしたいんだ」
と感じたらしく、その後に私から、フルコミットのお願いをした時に快諾するきっかけになったとのことでした。
ちなみに、当時は、下記のA4 1枚両面のパンフレットを作成して、飛び込み営業していました。合計で100件くらい回ったと思います。
結局、飛び込み営業は100件回って成約0だったので、飛び込み営業単体で見ると無駄に終わったと言えるのですが、片岡がフルコミットするきっかけになり、全体で見ればお釣りが来てあまりある結果になりました。
ですので、一見無駄と思えることも、やってみると、別のところで良い方向に結びつくことがあるというのも学びました。
まずは、専門医を取れと言われ
飛び込み営業の際の、今でもよく覚えている懐かしいエピソードがあります。クリニック経営で有名な某先生のところにアポが取れたので
この先生が、導入してくれたら、影響力もあるので、一気に伸ばせるかもしれない
と思い、意気揚々とクリニックを訪問してプレゼンしました。歯に衣着せぬタイプの先生であることは、元々分かっていたので、ドキドキだったのですが、プレゼンを終えた後に
「中途半端で全然ダメだね。ところで、君、診療科は?専門医とってるの?」
「いえ。研修医終えて、すぐにこのサービスで起業したので、専門医はとってないです」
「そうなの。こんなサービス開発とかしてないで、まずはしっかり専門医を取って、臨床の基礎を身につけないとダメだね。最近いるんだよねぇ、こういう、臨床ほとんどやらずに中途半端なまま、起業やコンサルとかに行ってそっちも中途半端な人。サービスを作るにしても、まずは少なくとも専門医を取って臨床の土台を作ってからでないと、本人に対する信憑性もないし、サービスも中途半端になるよね。
むしろ、研修医しか終えてない、ペーペーの医師が病院向けにサービス作りましたってのは、逆に開業医からしたらイメージ悪く映ると思うよ。」「。。。。すみませんでした。」
とのご指摘を受け、意気消沈。さらに、ここから先のやり取りは、医学部・医師あるあるなのですが
「ところで、君、学生時代部活は何やってたの?(え、今それ聞く?ポリクリ(病院実習)の時と同じじゃん)」
「スキーをやっていました」
「スキーね。。。スキー部だと、XX先生とかXX先生とかかぁ。」
「最初の1年だけやっていて辞めてしまいましたが(言わなきゃ良かったと思いつつ、なぜか言ってしまった)」
「え?途中でやめたの?そういうとこだよ。中途半端なところ。まずは、専門医とって、それから。出直してきてください。」
というやりとりをし、突き返されて退散しました。
1年後に、問い合わせが来て、、
その時は、「なにくそ!」と思うと同時に、サービスが全然売れてなかったので、「やっぱり、臨床に戻って専門医を取ってからの方が良いのかなぁ」とも思い、悩みました。
ただ、この話にはオチがありまして、その後、色々とプロダクトを試行錯誤して1年かかってしまいましたが、1年後にはある程度売れるプロダクトにまで改善され、月数件くらい導入されるようになった頃、そのクリニックから
「メルプのデモをしてほしい」
という問い合わせが来て
え?まさか、あのクリニックから?またボロクソに言われるんじゃないか?
と、不安を抱きつつ、1年越しに院長先生にプレゼンしたところ
「いやぁ、1年前よりだいぶサービス良くなったじゃん。これだと使えると思うわ。契約したいから、あとは事務長とやりとりしておいて。よろしくー」
と言われ、非常に嬉しかったのですが、あまりの展開に拍子抜けしてしまいました。
その後、その先生はメルプのファンになってくださり、SNSでも紹介いただいたり、プライベートで飲み会に誘っていただいたりまでする仲になりました。
一連の流れで学んだことは、「結果を出せば、人は手のひら返しで賞賛してくれる。そういうもん」ということですね。逆にいえば、結果が全てであり、特にスタートアップで新しいサービスを出す時は、
・プロダクトは荒削りで出来上がっていないことが多い
・新しい概念なので、理解されづらい
という2つの要素が合わさって、なかなか評価されないことが多いのですが(正確にはこれは顧客属性による。イノベーター層は価値を理解してくれて飛びついてくれるが、大多数のマジョリティ層の場合はその時点では価値を理解しづらい)、それは当たり前の反応なので、顧客から辛辣なフィードバックをいただいたとしても、自分がそのプロダクトを信じているなら、めげずにやり抜くことが大事です。結果を出せば、人は手のひら返しします。
プロダクトと関係ない部分の指摘(今回だと、専門医を取っていない、とか、学生時代の部活とか)は、(まぁ、そういう見方もあるよね)くらいで気にせずに、とはいえ、プロダクトで指摘された部分で確かにその通りだと感じた部分は真摯に受け止めて改善に繋げる、というふうに切り分けて考えることも重要だと学びました。
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