はじめに
さまざまな方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発中
蔦屋家電プラスに店頭展示していた際に、訪れたお客さんから
方言は「津軽弁」があると面白いと思います。事前に、蔦屋家電プラスの展示品を調べていた時に、子どもが釘づけでした。猫のモデルが可愛いです。
とフィードバックをいただいた。方言拡充のニーズはありそうだなと思い、今回、対応方言を大幅に拡大しようと思い立った。
公募にトライ(クラウドワークス・ランサーズ・ココナラ・自社サイト)
最初にリリースした4方言(大阪弁・広島弁・鹿児島弁・博多弁)に関しては、ココナラというクラウドソーシングサービスで、声優さんをこちらから探して、依頼していた。
ただ、今回、他の43都道府県の方言を一気に対応したいと思ったので、1人1人の声優さんを探してメッセージ送るのはとても大変。
しかも声優さんのプロフィールで、いろんなキャラクターや年代・性別のサンプルボイスを掲載されていることはあっても、対応方言はおそらくそれほどニーズがないからか、明記しているケースは少ない。なので、実際には方言対応できる声優さんだったとしても、こちらから探すとなると情報がなく見つけられずに依頼機会を損失してしまうという懸念もあった。
というわけで、こちらから条件つけて公募すればいいのでは?と思い立ち、募集文を作成することに。
ナレーションの場合、1文字あたりの単価+ファイルカット数単価で条件提示されている声優さんが多く、今回は相場よりそれぞれ少し高い金額を下記のように設定してみた。
・1文字3円
・1カット10円
実際に作成した募集文はこちら
この度は、弊社依頼をご覧いただき誠にありがとうございます。
【 概要 】
弊社は、方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発している会社です。
サービス詳細はこちらです。ミーアおしゃべり猫型ロボット「ミーア」は、100以上の種類の豊かな表情で、悲しみや喜びを共有します。子供へのクリスマスプレゼントにもぴったり。様々な性格や全国47の方言(大阪弁・博多弁・京都弁・沖縄弁など)も話してくれます。ミーアとの暮らしで、毎...今回のご依頼では、猫の話す方言の元になるナレーションを収録していただける方を募集します。
各方言をミーアが話している動画は、下記をご覧ください。
現在、大阪弁・博多弁・広島弁・鹿児島弁は収録済みです。【 依頼内容 】
・文字量:3000文字未満(2700-3000文字程度です)
・カット数:150程度(1フレーズ20文字程度)。1フレーズ20文字前後で150フレーズになっておりまして、1フレーズ(=1カット)で、スマホで録音開始と停止を押していただき収録いただければと思います。
・採用人数:都道府県毎に1名ずつ(※詳細は下記をご覧ください)
・提供素材:シナリオ原稿(Excel)
・納品形式:16bit 44.1Khz モノラル wav形式
・実績公開:可(ご希望ありましたら、操作するアプリの方言の欄にクレジットを表記させていただきます)
・経験:初心者OK(経験者歓迎)
・リテイク:1回まで
・ファイル命名規則:1.wav, 2.wavなどの連番(フレーズID.wav)【料金】
・1文字3円
・1カット10円(スマートフォンで1セリフごとに録音開始と停止で収録を行なっていただければと思います)
・基本料金は上記ですが応相談【 こんな人を募集しています 】
⭐️下記県の方言を話せる方(打ち消し線以外。依頼が確定した方言は打ち消し線にしています)。素早いレスポンスを心がけて頂ける方
ーーーーーーーーー北海道・青森県(津軽弁)・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県(房州弁)・東京都・神奈川県・新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県(甲州弁)・長野県・岐阜県(美濃弁)・静岡県・愛知県(名古屋弁・三河弁)・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県(神戸弁)・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県(出雲弁)・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県(土佐弁)・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県
ーーーーーーーーー【 納期・納品方法 】
・シナリオ原稿のお渡しから10日以内に納品【 応募時のお願い 】
ナレーション可能な方言(沖縄弁、岡山弁、栃木県弁 etc…)
声質やナレーション品質が分かる過去の実績(ポートフォリオ)があれば、ご提示ください。
最初はココナラにのみ募集掲載したのだが、「同じ募集だったら、他のクラウドソーシングサイトや自社サイトにも掲載した方が多く集まるのでは?」と思い、クラウドワークス・ランサーズにも募集文をコピペして掲載し、ミーアのサイトにも掲載した。
https://mia-cat.com/notice/mia-dialects-narration
思いの外多くの方言が集まった
5方言くらい、特に個人的にほしい、津軽弁・沖縄弁・京都弁が集まれば御の字だなと思っていたら、募集直後から、結構な数の応募が来て、「こんなに方言話せる声優さんいるんだ!」と思い、ビックリした。
最終的には、各サイト経由で下記人数の募集があった。
- クラウドワークス:41件
- ランサーズ:13件
- ココナラ:23件
- ミーアサイト:3件
やはり、クラウドソーシングサービスで最大手のクラウドワークス経由が一番多かった。
ミーアHPに掲載した募集ページからも直接google formで募集があったのには驚いた。まだそこまで認知度ないので、検索でも引っかからないだろうと思っていたので。
選定で重視した項目
想像以上に応募があったので、選定基準どうしようかなと思い、下記2点を重視することに
- 音声のトーンがミーアのイメージに合いそうか
- コミュニケーションのやり取りがスムーズにできそうか
特に2番目のコミュニケーションに関しては、応募時点で結構わかるなぁと思った。下記応募の上から下に行くにつれて、「こちらの意図を先回りして汲み取っていただける方だな」と判断し、優先的に依頼することにした。
- 応募しますと一言のみ(どの方言対応できるか書いていない)
- プロフィール文をコピペしたのみ(どの方言対応できるか書いていない・おそらく応募文をしっかり読んでいない)
- プロフィール文+対応方言をテキストでのみ記載→方言のサンプルボイスがないので判断しづらい
- 対応方言をサンプルボイスとして添付
- ミーアのHPやSNSを事前に見て、ミーアが話そうなフレーズの対応方言を自分で作成してサンプルボイスとして添付
台本作成に忙殺される
各方言ごとに150フレーズを用意しており、方言の台本を作成する必要がある。
方言の台本作成は、「佐賀弁一覧」「佐賀弁例文」などでググったり、YouTubeやTikTokで方言を話ししている人の内容を聞いて作成したりと、地味な作業が多く、結構骨が折れた。
あとは、「恋する方言変換」サイトや、ChatGPTも使った。ただ、方言のデータベースが少ないからか、なかなか思い通りに一発で方言変換はできなかった。
https://www.8toch.net/translate
こんな感じで、google spreadsheetで各方言ごとにシートを作成し、シート内に方言とその意味を対応で記載していく。だいたい1方言あたり2-3時間くらいかかった。今回20数方言分の台本を一気に追加作成。
作成した台本をナレーターの方に、下記メッセージを添えて送った
ネットの情報を見ながら作成しましたので、もし、フレーズで違和感がある岡山弁がございましたら、適宜変更して、話していただいて構いません。
また、ターゲット年代は20-60代です。もし70代以上のご高齢者の方しか使用されないフレーズがある場合にもご修正いただけますでしょうか?
その場合、上書き修正後のの台本を収録音声に添えていただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします
ナレーション担当してくださった方からの嬉しいお言葉
当初全く予想していなかったのだが、ナレーションをご担当いただいた声優さんから嬉しいお言葉も届いたので、いくつか紹介。
こちらこそ素早いご対応でスムーズに収録を進めることができて大変助かりました!
ミーアちゃんとてもかわいくて、実装されたら個人的に購入したいと存じますこちらXでフォローさせていただいているのですが、実装されましたらSNSで出演報告としても告知させていただいてよろしいでしょうか?
HPを拝見し、ミーア開発の背景に感銘しました。
学生時代に老人ホームでボランティアをしていましたが、本当に人にとってコミュニケーションはパワーになると思います。
ミーアの作成に関われて、幸せに思います。一人でも多くの人の笑顔の種となれるよう精一杯かんばりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、台本をお待ちしております。よろしくお願いいたします。
お世話になっております。
この度はお忙しいところご確認いただきありがとうございました!
とてもやりたかったお仕事に携われてとても嬉しく存じます。セリフの中に思わず地元ネタにニヤニヤとしてまうくらい楽しくさせていただきました!
9月に都内に行く予定があるので丸の内のショップ様に行って実物をぜひ拝見してみたいともおもっております(^^)この度はありがとうございました。
また何かございましたらどうぞ宜しくお願いいたします。
まさかこちらから依頼させていただいたお仕事で、喜んでいただけるとは、望外の喜びだった。
いただいた音声も、何度でも聴きたくなるほどで、実際にずっとリピートした方言もあった。プロの声優の方は、録音機材や環境を整えていてノイズが入っていないこともあるけど、ワンフレーズに感情を乗せるのがプロだなと実際の収録音声を聞いて感じた。
あと、やはり素人とプロとは上記違いがあり、声優もしくはアナウンサーのプロの方に頼んだ方が良いことがわかった。
実際に今回公募スタイルを取ってみて、こちらにすでにサービスがある状態で一気に数多く対応しなければいけない場合には公募スタイルの方が管理含めて便利だと気づいた。
今回20弱の方言を一気に追加し、9月上旬にリリース予定!
楽しみ