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【ESP32自作基板】配線エラーによるスピーカー音割れ・再生されない原因の調査(拡大鏡・オシロスコープ)

esp32-smt-error-research
この記事は約6分で読めます。

はじめに

さまざまな方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発中。

https://mia-cat.com

こちらの記事で、クラスDアンプのICパッケージをTQFNからWLPに変更したところ、25個のうち4個がスピーカー周りで下記不良品だった。

  • 1個:音が全く再生されない
  • 3個:音割れ
  • 1個:LCDディスプレイが点灯しない(電源がそもそもLCDに供給されていない)

残りの20個は無事正常動作しているので、JLCPCBの表面実装ミスで片付けても良いのだが(実際にQuality Complaintを提出)、回路の配線周りで防げる部分があるなら対応した方が良いと思い、対策を試みる。

JLCPCBにQuality Complaintした結果…

JLCPCBのサイトでQuality Complaintを行う方法はこちら

JLCPCBにQuality Complaintした結果下記の返答がこちら。

Hello sir or madam,

Thanks for reaching out and we are sorry some boards do not work well.

C2682619 is a BGA component and we had X-ray inspection at that time. The inspection result is all well and the solder joints should be OK.

Could you double check if the soldering is OK on the boards? If there is any misalignment or any abnormality that may cause the problem? If yes, kindly share us some close-up images for a check. Thank you.

Best regards,

その後、不良品の動画も送ったが

Hello there,

Thanks for your reply.

It seems the screen and the speaker were not provided from our side. Would it be possible they were not well?

If customer considers the root cause is C2682619, could you try to resolder it for a check? If during your verification, some manufacture defect is found, kindly share us some images for a check. We would like to know the root cause and try to avoid it in future production.

Thanks in advance.

Best regards,

というわけで、表面実装の不備が本当にあるのなら、その部分の証拠を写真で送れと塩対応。。

音割れの原因調査

アプリで音量を下げて、音割れ解消されるか検証

まず音割れは、スピーカーへの入力電圧が高すぎるからという可能性があるため、アプリで音量をできるだけ下げて音割れが解消されるかを検証。

こちらは特に変わらず音割れした。

拡大鏡を使って、配線不備がないか目視確認

次に、配線不備がないかを目視で確認する。

I2Sデジタルアンプ(Max98357a WLP)から出ている9つの配線が、しっかりつながっているかどうかを拡大鏡を使って、正常の基板と比較しながら目視確認する。

例えば、ESP32 woom32Eモジュールの25ピンとデジタルアンプのLRCLKを繋げている配線は、こちら

全ての配線を目視確認したが、ぱっと見で不備はなさそうだった。

電源周りの配線不備?

音割れのする基板をusbc 書き込み基板に繋げて音声再生したところ、usb to ttl のch340cが熱くなっていた。

なので、電源周り(過電流や電源ラインにリップルやノイズが含まれている)の配線不備が考えられたが、こちらも目視確認する限りは問題なさそう

オシロスコープを使って電圧測定

さらに検証するとなると、オシロスコープ使って、各ポイントで電圧を測る必要が出てくる。

2年くらい前に、当時開発していたイヤホン型脳波サービスの基板検証で使用していた、こちらのオシロスコープを引っ張り出して、使うことに。

マニュアルを見ながらキャリブレーション設定する

電圧・電流・抵抗・コンデンサー容量測定方法の解説動画もあった

音が全く再生されない基板もあるので、主に電源、I2S信号、出力の確認をオシロスコープで行う

1. VDDピンで3.3Vの電源電圧が供給されているかを確認。
2. BCLK、LRCLK、DINピンのI2S信号が正しく動作しているか、オシロスコープで波形を確認。
3. OUTPとOUTNの出力信号が正しく生成されているか、波形をチェック。
4. SD_MODE#ピンが正しい設定になっているか確認。

と、確認していたら、比較対象の正常基板の方で、ICパッケージの1つを間違えてショートさせてしまい、1つ使えなくなってしまった。。。(泣

ちょっと怖くなってしまったので、原因調査はここまでにして、表面実装ミスをできるだけ起こしにくいように回路修正(具体的にはI2Sアンプ周りのコンポーネントを近接させる・電源ノイズ対策)を行おうと思う。

回路修正の記事はこちら

その後、時間をおいて、原因調査を再度試みた結果はこちら

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