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【トランジスタ】BJTとMOSFETの原理と回路記号、メリット・デメリット

この記事は約7分で読めます。

前回、こちらの記事で、半導体とダイオードまでをまとめた。

今回は、バイポーラートランジスタ(BJT)とMOSFETについて、原理と共通点、違いについてまとめる。

トランジスタ:PNP結合 or NPN結合

  • Transfer Resistorの略
  • トランジスタのことをバイポーラートランジスタとも言う
  • 電子回路において、信号を増幅またはスイッチングできる半導体素子
  • p型とn型を3層に組み合わせたもの(ダイオードはpn結合で2層)→PPPで結合してもそれはP型半導体と同じことなので、互いに異なる型を隣り合わせにして2通りの組み合わせになる(NPN結合とPNP結合)。
  • トランジスタの素子からは3本の足が出ている。
https://jfs.or.jp/jfs-cs/history/engineering/electric-transister/#:~:text=%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BF%A1%E5%8F%B7%E3%82%92%E5%A2%97%E5%B9%85,%E3%81%AE%E7%B5%84%E3%81%BF%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

トランジスタの分類

トランジスタは下記のように大きく3つに大別される。今回はこの中でもバイポーラートランジスタ(BJT)とMOSFETについて見ていく。

https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/e-learning/discrete/chap3/chap3-1.html#:~:text=トランジスターは、大別すると,駆動型のデバイスです。

バイポーラートランジスタ(BJT)

BJTの原理:電流駆動型

  • NPN型とPNP型の2種類がある
  • 小さなベース電流を使ってコレクターからエミッターへのより大きな電流を制御する→ベース電流によって駆動する電流駆動型
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/e-learning/discrete/chap3/chap3-2.html

BJTの原理に関しては、下記サイトが分かりやすかった。

https://ushitora.net/archives/523

NPN型

  • 元々、コレクタ – エミッタ間にも電圧をかけている。しかし、この状態では電流は流れない
  • コレクタ、エミッタ間に電圧をかけている状態に加えて、ベース – エミッタ間にも同じ方向の電圧をかけると、ベース側に正孔が補充されて(ベース – エミッタ間だけを見ると、pn結合の順方向バイアス)ベース – エミッタ間に電流が流れ始める。
  • ベースはかなり薄くしてあるので、ベース側へ移動したエミッタの電子は、薄いベースの層を通過してコレクタにまで達するこれに伴い、エミッタ-コレクタ間にも電子の流れが生じ、トランジスタ全体に電流が流れるようになる。流れ始める電圧は約0.7V(駆動電圧が低い)。
  • コレクター電流を流す為にはベース電流を流す必要があり、継続的にドライブ用の電力が必要
https://ushitora.net/archives/523

BJTの回路記号:PNPとNPNの違いはB-E間の電流の向き

  • npn型・pnp型の回路記号は下図。
  • 唯一の違いは、ベース – エミッタ間の矢印の向きであり、これは電流の向きを表している。
  • npn結合の場合は、ベースからエミッタに電流が流れるのでB→Eに矢印が向いている。B→Eと同じ向きにコレクタ – エミッタ間にも電流が流れるので、C→Eとなる。
  • pnp結合の場合は逆で、E→B、E→Cとなる。

MOSFET

電界効果トランジスタ(FET)の一種金属(Metal)、酸化膜(Oxide)、半導体(Semiconductor)の3層構造で出来ているので、頭文字を取って、MOSと呼ばれる。なので、結合してMOSFET。

https://electronic-circuit.com/mosfet-read-symbol/

  • Nチャネル(NMOS)とPチャネル(PMOS)の2種類がある。簡便な理解のためにNチャネルはNPN型、PチャネルはPNP型。
  • ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)の3つの端子を持つ。実際にはボディ(B)端子もあり、4端子だが、部品内部でソースとボディは接続されているので、実際は3端子として使用される。
  • BJTでは入出力が「エミッタ」「ベース」「コレクタ」であるのに対して、MOSFETでは「ソース」「ゲート」「ドレイン」
  • ゲートとソース間に適用される電圧によって、ドレインとソース間の電流を制御する→電圧駆動型

NMOS

  • BJTのNPN型のように、完全に層構造でn型p型がセパレートされているのではなく、全体はあくまでp型で、ただ端子部分だけn型という構造
https://ushitora.net/archives/536

MOSFETの原理:電圧駆動型

こちらのサイトが分かりやすい

https://ushitora.net/archives/536

https://ushitora.net/archives/536
  • BJTの時はnpn間を電子が移動する感じだったが、MOSFETは、p型は関与していなくて、物理的に離れているn型同士(ドレインとソースは分離されているため、ドレイン – ソース間の電圧をいくら大きくしてもドレイン‐ソース間には電流が流れない。)をゲート電圧によって、架け橋を作る(反転層形成)ことによって、nnnのルート(チャネル)を作成して電流を生じさせるという仕組み。
  • その他、遮断領域・線形領域・飽和領域とその条件に関してはサイトを参照。

MOSFETの回路記号:PMOSとNMOSの違いはソースに流れる電流の向き

  • PMOS、NMOSの回路記号は下図(本当はエンハンスメント型(点線)とデプレッション型(実線)でも分かれるので2×2=4通りだが、今回はデプレッション型のみ記載)
  • 違いはソース(S)に付いている矢印のみ。矢印の方向はP→Nの向き(寄生ダイオード(ボディダイオード)の順方向バイアス)
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/onsemi/142988/

回路記号に関して詳しくは、下記サイト参照

https://electronic-circuit.com/mosfet-read-symbol/

BJTとMOSFETの比較

Wikipediaが分かりやすかった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/MOSFET

BJTではエミッタから流入した電子は、薄いベース層を通過してコレクタで集められる(コレクトされる)が、MOSFETではソース領域から流入した電子はドレイン側からの電界によってチャネルを通過してドレイン(排水口)領域に流れ込むというイメージは同じ。

しかし、BJTではすべての電流はPN接合によるものなので電子とホールの両方が伝導に寄与しているが、MOSFETではチャネルを通過するのはNチャネル型では電子のみ、Pチャネル型ではホールのみ→MOSFETがユニポーラ型とも呼ばれる理由。

制御方式・入力インピーダンス・消費電力・用途

BJTとMOSFETの違い

BJTMOSFET
制御方式電流制御であり、入力インピーダンスは低い電圧制御であり、入力インピーダンス(ゲート端子のインピーダンス)は高い。ゲートからの電流はほとんどなくても(実際にない)電圧制御で操作できるため
消費電力高い:特に高周波でスイッチングする場合 ベース電流がコレクター電流を制御しますが、このベース電流自体が消費電力に寄与する。BJTは飽和領域でオンにすると、コレクターとエミッター間には小さいながらも有意な電圧降下が生じる(通常は0.2Vから0.3V程度)。この電圧降下とコレクター電流の積がオン状態での消費電力になる。低い:特にスイッチング損失が少ない ゲートには実質的に電流が流れないので、オン状態でのMOSFETの消費電力は主にドレインとソース間のオン抵抗(RDS(on))によるもので、これは非常に小さいため
用途・オーディオアンプ ・RF(無線周波数)アプリケーション ・低電力回路 ・アナログ回路・パワーエレクトロニクス(DC-DCコンバーター、スイッチング電源) ・モータードライブ ・高速スイッチングデバイス ・デジタル回路(マイクロプロセッサやマイクロコントローラのロジックレベルのスイッチング

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