はじめに
現在、方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発中。
ミーアのデザインで協力いただいたデザイナーの方と打ち合わせをした際に、ミーアの各方言バージョンのキャラクターをものの数分でササッと描き上げていて「凄すぎる!」と感動した。
自分もあのレベルまででなくてもよいが、キャラクターデザインを描けるようになりたいなと思い、良さそうな本はないかなと探してたどり着いた本がこちら。
ちなみに私は、元々は絵は全く描けずに、人を○に十の字で棒人間を描くレベルである。上手に描けるようになりたいと思い、2年くらい前にオンラインでカナダの先生から週1回1年ほど、写実絵画を習い、時間をかければある程度描けるようになった。
学んだことは、絵は想像していたよりも配置を幾何学的に捉えるロジカル要素が強いということ。
Before→After
ただ、今回は、紙に鉛筆ではなくデジタルイラストで、キャラクターを即興的に描けるようになりたい。
いきものとイラスト:あらすじ
Suicaのペンギンやカクカク・シカジカ、チーバくんやクウネルくんなど、世代を問わずに愛される、数々のイラストを生み出してきた坂崎千春さんの本。
魅力溢れる「いきもの」を描いたイラストやキャラクターをフィーチャーし、描き方のコツやポイント、制作のプロセス、いきものをどう見て、どうイラストとして落とし込むかなど、テクニックや想いをたっぷりと詰め込んだ一冊になっている。
いくつか勉強になったところを抜粋。
単純化が大事:丸で頭と体を表し、組み合わせる
いきものを描く時は、引き算する描き方が大事。
すっきりと削ぎ落としたシンプルな形から、かわいらしさが生まれる。
写真などの資料は見過ぎないようにする。囚われ過ぎてしまい、本来のいきものの特徴を捉えにくくなるから。
単純化の出発点は、丸い線。丸が頭と体を表し、その組み合わせが生き物の形となる。
頭身比率は、基本は1:1.5くらい。
1対2-3にすると大人っぽくなる→人間の言葉で想いを語るキャラクターや人間の暮らしをテーマにした主人公の絵本などに使う
そのシンプルな形として下記の3つを挙げている。
洋ナシ型
下半身を安定させた下膨れの形
ピーナツ型
楕円形を縦に繋げた2.5頭身の形
マッシュルーム型
2頭身の頭でっかちの形
全身をパーツに分けて考える。
輪郭を決めてから最後にパーツを入れる
1:頭と胴体を繋ぐ
- 首も描かずに頭と胴体を直接繋げる
2:頭と胴体に手足をつける
- よりシンプルな形にするために、手足の関節を減らす。
- 手足はまっすぐに表現し、ひじ、膝は強調しないようにする。
3:耳の位置を決めてしっぽをつける
4:胴体をなぞり、スカーフをつける
5:目や鼻などを入れて線画を完成させる
6:色をつけて完成
著者のキャラクターのデザインと比べると、全然可愛くないが、こんな手順で作成するとのこと
配色:黒に合う色の数を抑える
黒の輪郭線を使ったイラストは、明快で強さがあり、ユニセックス
黒の輪郭線でシンプルに形を描くと、キャラクターそのものが引き立つ
カラーにするときは、なるべく色数を抑える。黒の輪郭線で形を表現して1色だけ効き色を入れてポイントにする。
表情:基本は静か。かわいいと思うポイントを添える
基本
- 基本は真顔で、笑っていない
- 正面を向いた真顔で静かな表情にすることが多い
目
- 黒目だけだと動物らしい。白目があると人間と同じような表情が作りやすくなる
いきいきとした表情
- 上目遣い
- 首を少し傾ける仕草
- かわいいと思うポイントを捉えて基本の表情を変化させる
- 年齢とともに表情も変わる:子供の時は目と口の間が狭い→大人になるにつれて目と口の間が離れる
他にも参考になる部分がたくさんあった。
まずは写経からかな。
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