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【ESP32】リポバッテリー駆動もできる自作基板の電子回路

この記事は約11分で読めます。

現在、方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発中。

https://mia-cat.com

現在のミーアのESP32自作基板回路はこちら。

USB TypeCから給電できるようにしているが、逆に言えば、ESP32を絶えずUSBに接続していないと動作しない。

なので、今回、リポバッテリーからの駆動もできるようにリポ回路を追加したいと思う。リポ電池はこちらを使用。

LP552036:定格電圧が3.7Vで、標準容量(=最大容量):360mAh

Lipo電池について

Lipo電池の特性

Lipo電池の特性と条件は以下

  • 定格電圧が3.7Vで、フル充電時には約4.2Vまで充電される(今回使用するLipoは4.28Vまで)。3.0V以上であれば充電開始できる。
  • 4.2V以上の電圧が入ると壊れてしまう。
  • 放電時には電圧が下がり、安全な放電限界は、一般的には3.0Vから3.2Vの範囲。3.0V以下になると壊れてしまう
  • 過充電や過放電を防ぐために保護回路が必要。

Lipo充電回路:MCP73831チップを使用

MCP73831の電源電圧は、3.75~6Vの定電圧電源を使用する。USB端子のVBUS(5V)電源からの充電も行える。

データシートにある充電回路はこちら

データシートはこちら

今回使用する端子に関する説明記述は下記

充電電流:基本は1C充電。1C以下ならOK

リポバッテリーは1C充電するのが基本。1C充電とは、バッテリーの容量と同じ電流で充電することを指す。例えば、1000mAhのバッテリーなら1Aの充電電流で充電する。今回の場合は360mAhのバッテリーなので360mAの充電電流で充電する。

なぜ1C充電が基本なのか?

  • リポバッテリーは正確な充電と放電が必要であり、特に過充電や過放電を避ける必要がある。過大な充電電流や急速充電は、バッテリーに対して過度な熱を発生させ、過熱や発火のリスクを高める可能性があるため。なので、1C充電は、バッテリーを安全に充電するための基本的なガイドラインの1つ。
  • ただし、1C未満で行うことは問題ない。実際、電池の寿命を延ばすために、より遅い充電速度(例えば0.5Cや0.2Cなど)を使用することが推奨される場合が多い。これにより、電池へのストレスが少なくなり、長期的なパフォーマンスが向上することがある。デメリットは充電時間が長くなること。

今回は、1C充電の充電速度と最大充電電流が、360mAhで同じであるため、この充電電流速度は超えないように回路設計する必要がある。

充電電流はPROGで調整する

充電電流速度は、MCP73831チップのPROG端子に接続する抵抗によって調節できる。

MCP73831の充電電流は15mAから最大500mAまで対応している。

充電電流は抵抗と反比例になっており、IREG(充電電流:mA) = 1000V / Rprog(kΩ)の式で表される。

今回は、最大充電電流速度が360mAhなので、Rprog > 1000/360 = 2.77…kΩが条件となる。

今回はRprog=3kΩにしてみた。DatasheetにはProgに要求される抵抗誤差に関する記載は特になかったが、バッテリーで一般的に求められる±1%を使用。

リポバッテリーのピッチ間隔が2mmだったので、接続するコネクタは下記を選択

https://www.lcsc.com/product-detail/Wire-To-Board-Wire-To-Wire-Connector_JST-B02B-PASK-1-LF-SN_C398555.html

作成した回路はこちら

充電ステータスをLEDで可視化

今回は、充電ステータスを可視化したいため、充電状態を示すSTATピンを用いる。

行われている時は[Charge]ランプ(赤色LED)が点灯し、充電完了時には[Ready]ランプ(緑色LED)が点灯するように設計。

STATピンは充電状態を示すLEDに接続されており、リポバッテリーが接続されUSB端子からの充電が行われている時はSTATピンが低電圧(0V近い値)になり、LED2(赤色)が点灯する。充電が完了すると、STATピンが高電圧になり、LED4(緑色)がが点灯する。

充電中はSTATピンが低いため、LED4には十分な電圧差が生じず、そのため点灯しない。一般的な緑色のLEDの場合、フォワード電圧(順方向電圧:ダイオードが導通し始めて電流が流れるのに必要な最小限の電圧)は約2.0Vから2.2Vの範囲のため。

ESP32への電源供給をどうするか?

電圧レギュレーターをAMS1117からME6217シリーズに切り替え

コメント

  1. 太郎 より:

    こんにちは。本記事を参考に自分も基板を作成してみました。しかし、USBでPCに接続するとLipo chargeのLEDが両方とも点灯してしまいます。またvscode platformIOでESP32に書き込みをしようとするとポートが見つからず書き込みができない状態です。何かわかることがあれば教えていただきたいです。

    • 吉永 和貴 吉永 和貴 より:

      コメントくださりありがとうございます。
      回路図と、VS Codeのログがありましたら、添付いただけますでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします

      • 太郎 より:

        返信ありがとうございます。どのように回路図を送信したらよいでしょうか。このコメントではjpgのファイルが送れないです。

  2. 太郎 より:

    返信遅くなってしまいました。修正ありがとうございます。kicadの回路図を添付いたします。自分の回路は9軸のセンサをI2C接続してセンサの校正値をLCDに出力する回路を作製しました。Power、battery chargeのパートを参考にさせていただきました。USB type-cで充電、書き込みを行うためCH340をデータシートを参考にUSBパートを作成しました。自分が考える問題点としては、USBケーブルが充電専用もしくは対応していない(新たに購入しましたが直らず)、CH340Hのドライバが読み込めていない、回路の設計ミス等が考えられます。私のPCはwindows11Homeでデバイスマネージャで確認したポートはSilicon Labs CP210x USB to UART Bridge(COM5)です。吉永様はCH340のドライバをダウンロードされましたか?もしよろしかったら回路のデバッグをお願いしたいです。お忙しいところ恐縮ですが宜しくお願い致します。

    • 吉永 和貴 吉永 和貴 より:

      回路図拝見しました

      1)Lipo chargeのLEDが両方とも点灯してしまう問題
      TATピンの電圧がLOWやHIGHではなく、中途半端な電圧(2V〜3V付近)にあるために、両方のLEDが点灯していると思われますが、回路を見る限り問題なさそうですね。テスターで充電中のSTATの電圧を測定できれば、原因特定できそうです。

      私が使用しているPMOSFETはこちらなのですが、こちらを試してみるとかでしょうか?
      https://www.lcsc.com/product-detail/MOSFETs_UMW-Youtai-Semiconductor-Co-Ltd-AO3401A_C347476.html

      2)PlatformIOでESP32に書き込みができない問題
      CH340ドライバーインストール
      こちらは必要です。windowsの場合、下記からインストールしてください
      https://www.wch.cn/downloads/CH341SER_ZIP.html

      CH340EのTXとRXのクロス接続もされているので、回路図は問題なさそうに見えますね。

      あまり有益な回答ではないですが、ご参考いただけますと幸いです。
追加でご質問ありましたら、お気軽にコメントください。

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