はじめに
さまざまな方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」を開発中。
9/17(火)にミーアの大幅アップデートとして、下記の2つの機能をリリースした
1)カスタムボイス機能
ユーザーが作成したオリジナルフレーズや録音した音声を、指定した時間にミーアが再生する機能。目覚ましやリマインド通知、勉強のサポートなど、様々なシーンで活用可能。推しの声や家族の声を使って、特別なメッセージを届けることもできる。
https://mia-cat.com/notice/custom-voice-function
2)28の方言を新たに追加
これまで、ミーアが話す方言は大阪弁・広島弁・博多弁・鹿児島弁の4方言のみだったが、新たに28の方言に対応。
追加された方言一覧 北海道弁・津軽弁(青森県) ・秋田弁・福島弁・茨城弁・甲州弁(山梨県) ・埼玉弁・神奈川弁・静岡弁・名古屋弁(愛知県)・三河弁(愛知県)・美濃弁(岐阜県) ・滋賀弁・新潟弁・金沢弁(石川県)・富山弁・京都弁・神戸弁(兵庫県)・三重弁・岡山弁・伊予弁(愛媛県)・讃岐弁(香川県)・山口弁・佐賀弁・日田弁(大分県)・熊本弁・宮崎弁・沖縄弁
https://mia-cat.com/notice/mia-add-28-dialects
結構大幅なアップデートになったので、大々的にPRしたいのだが(実際にPRしているのだが)、ちょうど品薄問題に悩まされていて、在庫管理の必要性と心理的にPRしづらいというのを痛感したので、今回は在庫問題について記載。
ちなみに、ミーアのXでポストしたところ、ご協力いただいた各方言の声優/フリーアナウンサーの方々がリポストしてくださった。ありがたい!
反省点:在庫が5個になった状態で追加発注に動き始めた
現在の状況は、初回リリース時に100個作成して、追加で25台作成したのがなくなっている状況。
初回の100台のうち、在庫が30個くらいになったら次の発注に動くべきだったのだが、実際には在庫が5台になってから追加発注しようと動き始めたのが、1つ目の反省点。
基板も同じ部品で注文するし、使っている部品は汎用品なので、普段通りであればJC PCBに追加発注して10日位で届くから在庫確保すぐにできるだろうと想定していたら、スピーカーとESP32を接続するクラスDアンプがまさかの在庫切れという問題に遭遇し、急遽代替品を用いて回路も変更しなければいけなくなった。
変更した回路で実際に動くかどうか不安だったため、本当は100台発注したかったのだが25台で発注。
実際に届いた基板で一発で動いたのは良かったが、仮に回路ミスで届いた基板のどれもが動かなかったら、この時点で詰んでいた
とはいえ、届いた25台のうち5台が不良品で、4台がスピーカー関連(音声が再生されない・音割れがする)であり、スピーカー周りでの不良品は回路修正前の初回リリースの基板ではなかったのと、この不良品率は受け入れられないので回路をさらに修正する必要が出てきた。実際に回路修正した結果はこちら
8割は動いていたので、表面実装も頼んでいるJLCPCBの表面実装エラーの可能性が最も高く、JLCPCBにQulality Complaintをしたのだが、そのやり取りでも結構時間が経ってしまったのも次の基板発注に遅れを生じる原因となった。
まさかの9月中旬は中国休み
さらに回路を修正したverの基板をJLCPCBに発注したのだが(25台)、普段であれば発注してから4-5日で発送まで完了して10日後には到着するのだが、Production Progressがなぜか56%から動かない。。。
急いでいるのに、なぜ今回に限って?と思って中国の休みを調べたところ、9月中旬の15,16,17日は中秋節で祝日とのこと。タイミング悪すぎる。。
ちなみにこの記事を書いている9/19 7時時点でも進捗進んでいないのが歯痒い。。
部材管理表を作成
基板以外にも、ボタンやフロントパネル、バックキャビネットなど部材がいくつかあるので、それぞれの部材の在庫を簡易管理する部材管理表のスプレッドシートを作成。
リリース時点からやっておけば良かったのだが、必要に迫られてようやく作成した。
ミーアは白より黒の方が人気で、黒55%・白45%くらいのイメージ。リース当初は黒白のどちらが売れるかわからなかったため、どちらも同数発注していた。なので、黒の方がいつも在庫切れ問題に遭遇する。ちなみに現在は黒の在庫なく、白が在庫5個。
黒の在庫が2個の段階で、ネットから1人で3台の注文が来て
というわけで、黒の在庫が現在ない状況。
ちなみに黒の在庫が2個の段階で、まさかの1人のユーザーからネットで3台(黒2台・白1台)注文が来て(今まで2台の注文はあったが3台は初めて)、大変嬉しかったのだが、同時に「黒在庫切れた。対応しないと」と焦るきっかけになった。
黒の在庫は2台のうち、1台が自宅にあり、1台が現在、東京都の有楽町でポップアップストアで展示しているTiB SHOPにあったため、急遽TiB SHOPに向かって、黒1台を取り箱詰めして配送した。
またTiB SHOPのスタッフの方には「黒の在庫が切れてしまったので、もし店頭で購入希望の方には黒は現在在庫切れであることをお伝えいただければと思います。ネットで取り寄せ注文(予約注文)へと促してください」と伝えた。
HPに在庫切れを明記し取り寄せ注文に
というわけで、黒ミーアが在庫切れになったので、HPの購入ページに明記した
ちなみに、ミーアのサイトでは商品管理にWooCommerceをStripe決済と連携して使っており、在庫に関しては下記のように在庫数をトラッキングして記載できるとともに、単に在庫あり・在庫切れだけではなく、「お取り寄せを受け付け」という欄がある。
予約注文のような感じだろう。在庫切れではあるが在庫が確保でき次第発送するので、ユーザーには事前注文しておいていただきたいので、今回は取り寄せに変更した。
終わりに
今回の反省点は、「在庫が潤沢にある状況で次の発注に動くべきだった」に尽きる。
同じ部材の発注だから問題ないだろうと思っても
- 実際には一部の部品が在庫切れになっている場合がある
- 発注先が休みなどで納品が遅れる可能性がある
など、想定していない外部要因が起こりうるので、やはり前もって、ある程度潤沢に在庫を抱えておく必要がある。
ソフトウェアサービスの場合は、注文に応じてその場でアカウントのみを発行するのみなうので、在庫問題という概念が発生しないのがすごい良い点なのだが、ハードウェアの場合はそのようにもいかないので、今回ほろ苦い綱渡りの経験をすることとなった。
そんな中で、開発タイミングか重なってミーアの機能の大幅アップデートをリリースしたので、「PRしたいけど在庫問題あるしなぁ。どうしよう?」と悩みの種が増えてしまった。
何より絶えず頭の片隅に在庫問題のことを考えておかないといけない状態が良くない。打ち合わせの時間にギリギリ間に合うかどうかで、電車の乗り継ぎなどでいつも時計を気にしている状況に似ている。
なので、本来であれば100個とは言わずに500個くらい注文しておいて在庫管理しておけば良いのだが、まだそこまでのニーズがあるかどうかが読めないのと、置き場所がない(500個となると専用の在庫をレンタルしないといけない)
ちなみに、ハードウェアもミーアの顔をユーザーの方で着せ替えできるようにマグネット式を検討中。ハードウェア側も少しずつ変わってくるので、その場合にはちゃんと機能するかも検証しないといけず、製品版の在庫管理とは別に同時進行で次の商品ロットの設計検証もしないといけない。同時進行で考えないといけないことがソフトウェアの時より多く、飽きずに楽しめている。