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【創業者株主間契約】をChatGPTで作成する方法

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この記事は約6分で読めます。

はじめに

以前、メルプの起業の振り返りに関する記事で、創業者株主間契約について記載した。

創業者同士で熱量が未来永劫同じで続くとは限らないので、「創業時点で」創業株主間契約は結んでおく必要がある。もし創業時点で結んでいない場合は、その時点で結んでおく必要がある。

今回は、実際に、創業者株主間契約をChatGPTを活用しながら作成する方法を記載したいと思う。

AZXの雛形をダウンロード

AZXという、スタートアップに特化して、法務、税務、会計、労務、特許などの幅広い分野のサポートをしている企業のページにありがたいことに、創業株主間契約の雛形があるので、まずはこちらをPDFでダウンロードする。

創業メンバー株主間契約書 | 書式/雛型 | AZX – スタートアップ企業等に対し、法務・特許・税務会計などのサービスをワンストップで提供

ChatGPTを用いて、雛形を修正

そして、ChatGPTにPDFをアップロードしたのちに、下記のプロンプトを投げてみる。

こちらの雛形を参考にして、 XXさんと言う方と創業者の間契約を結びたいと思っています。XXさんに株式のXX%を保有していただきます。

こちらに関してはベスティング条項がつけられていないと思いますので、スタンダードのベスティング条項もつけた雛形を用意したいです。

CEOである私が何らかの理由で会社を辞めることになった場合にも、XXさんが買取取れるように双方で対等な契約に修正してほしいです

そうすると、下記のような感じで、べスティング条項を追加してくれた。

創業メンバー株主間契約書

XXさん(以下「役職員株主」という。)及び[創業者名](以下「経営株主」という。)は、役職員株主が保有する株式会社●(本店所在地:●。以下「本会社」という。)の株式に関し、以下のとおり合意したので、末尾記載の日付で、本創業メンバー株主間契約書(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条 目的

  1. 役職員株主が本会社の株式を保有することとなったのは、役職員株主が本会社の取締役若しくは監査役(以下「役員」という。)又は従業員として誠実に勤務した成果を本会社の株式を通じて享受することにより、役職員株主の本会社に対する貢献意欲が向上することが期待されたためであり、役職員株主は、自己が本会社の役員又は従業員の地位を失った場合には本会社の株式を保有する理由がなくなることを理解している。
  2. 本契約は前項に記載された事実を前提として、役職員株主が保有する本会社の株式の取扱い等について定めるものである。

第2条 地位喪失による株式譲渡

  1. 役職員株主が本会社の役員及び従業員のいずれの地位をも喪失した場合には、その喪失の理由を問わず、役職員株主は経営株主からの請求に基づき経営株主又は経営株主の指定する第三者に対し、役職員株主の保有する本会社の株式(以下「本保有株式」という。)のうち経営株主が指定する株式数を譲渡するものとする。
  2. 前項の場合における本保有株式1株あたりの譲渡価額は、役職員株主による当該本保有株式の1株あたりの取得の価額と同額とする。但し、当該取得後に本会社において株式分割、株式併合、株主割当ての方法による株式の発行若しくは処分、又は株式の無償割当てが行われた場合には、当該分割、併合又は割当ての比率に基づき経営株主により合理的に調整されるものとする。

第3条 ベスティング条項

  1. 役職員株主が保有する株式のベスティング期間は、本契約締結日から4年間とする。ベスティング期間中、役職員株主は毎年25%の株式を取得する権利を得るものとする。
  2. 役職員株主がベスティング期間内に本会社を辞職した場合、未ベストされた株式は無償で本会社に返還されるものとする。

第4条 創業者辞職時の株式買取

  1. 経営株主が本会社を辞職した場合、役職員株主は経営株主の保有する株式を市場価格で買取る権利を有するものとする。
  2. 買取価格は、双方の合意に基づき第三者機関による公正な評価をもって決定する。

ベスティング条項をアレンジしたい場合

たとえば、下記のようなプロンプトを投げてみる

今回の契約ですが、すでに1年ほど一緒に働いている場合は、それに相当する分は契約時点で施行していただいて良いと思うのですが、どうでしょう? また、クリフ後のベスティングを年単位ではなく月単位にできますか?

もちろんです。1年間すでに一緒に働いている分を考慮し、その分は契約時点で即座にベストされるようにします。また、クリフ後のベスティングを年単位から月単位に変更することも可能です。以下に修正した契約書の該当部分を示します。

第2条 ベスティング条項

  1. 役職員株主が本会社の株式のXX%を保有することについては、次の条件でベスティングされるものとする。
    • ベスティング期間:4年
    • クリフ期間:1年
    • 契約時点で最初の25%がベストされ、その後月次で残りの75%がベストされる。
  2. 役職員株主がベスティング期間内に本会社を辞職した場合、未ベストされた株式は無償で本会社に返還されるものとする。

アクセラレーション条項を追加したい場合

下記のプロンプトを投げてみる。

仮にベスティングスケジュールよりも短い期間で売却となった場合に、役職員株主に出資したXX%全額を売却対象としたいです。契約書修正できますか?

もしベスティングスケジュールよりも短い期間で会社が売却され、役員にXX%の株式を渡したい場合、以下のような「アクセラレーション条項」を契約に追加することで対応できます。

アクセラレーション条項は、特定のイベント(例えば、会社の売却や合併など)により、未ベストの株式が一括してベストされることを定めるものです。

以下に、契約に追加するためのアクセラレーション条項の文言例を示します。

第10条 アクセラレーション条項

1. 会社の売却、合併、またはその他の事由により会社が第三者に買収される場合、役職員株主の未ベストの株式は即座にベストされるものとする。

Word形式で出力させる

修正して、これで雛形できたと思ったら、最後にWord形式で出力させる。

作成したドキュメントを共有して、相手方に確認してもらい、合意が取れたら、PDFにして電子署名(クラウドサイン・DocuSignなど)をすれば完了。

まとめ

GPT-4oの精度が高いので、契約書用の適切な文言をプロンプトから生成してくれるので、作成から締結まで30分くらいですぐにできるようになるだろう。

契約の落とし穴に関しては、事前に知っておくことが望ましい(今回のケースだと創業メンバーが会社から離れることになった場合に残りのメンバーが株を買い取れるようにする+その時の買取価格も決めておくなど)、もちろん全部完璧に知っている人は少ないと思う。

ただ、その場合でもGPTに「この契約書で抜け漏れはないですか?契約後トラブルになりそうな条項がありましたら列挙して、それに対する条項も追加してください」などと質問すれば解決してくれる。

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